ルクセンブルクの政府系ファンド、ユーロ圏で初めてビットコインを購入

ルクセンブルクの政府系ファンドが、7億3000万ドルのポートフォリオの1%を現物ビットコインETF（上場投資信託）に配分し、ユーロ圏で初めてビットコインに投資しました。

この投資は、世代間主権富裕基金（FSIL）の権限改定に続くもので、ポートフォリオの最大15%を暗号資産を含む代替資産に投資することが可能になりました。また、不動産やプライベートエクイティなどの他の代替資産にも投資できます。 

FSILは2014年に設立され、将来の世代のための準備金を構築することを目的としています。その資本の大部分は優良な債券に配分されています。 

象徴的な重み

この投資は約730万ドル相当に過ぎませんが、象徴的な重みを持ち、ユーロ圏の他の政府系ファンドが時価総額最大の暗号資産に投資する動機付けにもなる可能性があります。

「少なすぎて遅すぎると主張する人もいるでしょう。また、投資のボラティリティと投機的性質を指摘する人もいるでしょう」と、ルクセンブルク財務省のボブ・キーファー氏は述べました。

「しかし、FSILの特定のプロファイルと使命を考えると、基金の経営陣は1%の配分が適切なバランスを取りながら、ビットコインの長期的な可能性について明確なメッセージを送ると結論付けました」とキーファー氏は付け加えました。 

ルクセンブルク金融庁広報責任者のジョナサン・ウェストヘッド氏によると、この最近の動きは「成熟するデジタル資産市場への慎重な信頼」の中で行われたものです。

彼は、ビットコインETFがファンドにとって、コインを直接保管する運用上および技術的な複雑さなしに、BTCへの規制された投資機会を提供すると述べました。ウェストヘッド氏によると、この投資商品は「説明責任を伴うイノベーション」も提供しています。 

フィンランド、ジョージア、英国を含む欧州諸国は現在ビットコインを保有しています。しかし、Bitboのデータによると、これらの暗号資産のほとんどは犯罪による押収を通じて入手されたものです。  

米国の現物ビットコインETFは入金の連続記録を継続

FSILからビットコインETFへの投資は、米国での投資商品への複数日にわたる入金の好調な流れの中で行われています。 

10月9日に米国のファンドに1億9780万ドルが流入した後、Farside Investorsのデータによると、これらの商品の入金連続記録は9日間に延長されました。 

現物ビットコインETFの資金フロー（出典：Farside Investors）

最新のセッションでの入金はブラックロックのIBITが主導し、当日2億5550万ドルを集めました。 

ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏によると、IBITは現在、運用資産（AUM）1000億ドルの節目に達する寸前でもあります。最近のX投稿で、彼はIBITのAUMが約990億ドルであると述べました。また、IBITが「ETFの伝説」であるVICを追い抜き、AUMの観点で全体で19番目に大きなETFになったとも述べています。

BitwiseのBITBは、昨日純入金を記録した唯一の他の米国現物ビットコインETFで、準備金に660万ドルが追加されました。 

一方、フィデリティのFBTC、ARK InvestのARKB、グレースケールのGBTCはすべて10月9日に純出金を記録しました。FBTCは1320万ドルの出金を記録し、ARKBとGBTCはそれぞれ560万ドルと4550万ドルの出金を記録しました。

残りのファンドはその日新たな資金フローを記録しませんでした。

昨日の入金に続き、米国の現物ビットコインETFは9月29日以降、59億ドル以上を集めています。

世界の暗号資産ETFが記録的な入金を集める

米国の現物ビットコインETFへの継続的な入金は、世界的な暗号資産投資商品の記録的な週に続くものです。

10月4日に終わる週には、暗号資産商品への世界的な入金は59億5000万ドルに達しました。米国を拠点とする商品がこの資本の大部分を集め、その入金額は50億ドルでした。

しかし、スイスでは5億6300万ドル、ドイツでは3億1200万ドルの入金もありました。どちらも新記録でした。

暗号資産別に入金を分析すると、BTCが最も多くを集めました。ビットコインの入金は45億5000万ドルに達しました。イーサリアムは次に大きな入金額である14億8000万ドルを記録し、ソラナとXRPはそれぞれ7億650万ドルと2億1940万ドルを集めました。

CoinSharesのリサーチ責任者であるジェームズ・バターフィル氏によると、暗号資産商品の年初来の入金額も最近、2024年に見られた総額を上回りました。