暗号資産(仮想通貨)取引所「Coinbase(コインベース)」のCEOであるブライアン・アームストロング氏は29日、
BTCが米ドルを脅かす存在ではなく、むしろ米ドルの健全性を保つ役割を果たしているとの見解を公式Xで示した。
アームストロング氏は投稿の中で、ビットコインの存在によって人々は経済不安時に別の選択肢を持つことができると強調。これにより政府に対して、過度な財政赤字や通貨価値の低下を避けるよう間接的な圧力がかかると説明した。こうした健全な競争環境が、財政規律を保つ抑止力になるというのが同氏の考えだ。
また、アームストロング氏は現代の民主主義国家が直面する構造的な課題として、予算均衡を維持する動機付けが弱まっている点を危惧している。経済成長率を上回るインフレが続けば、米ドルは国際的な「基軸通貨」としての地位を失い、中国などの競合国にその座を譲ることになりかねない。これが米国にとって経済的・政治的に甚大な打撃となると同氏は警告している。
こうした見解のもと、アームストロング氏はビットコインを単なる投資商品ではなく、米国の統治と経済体制を長期的に支える重要な要素として位置付けた。ビットコインという外部圧力によって米ドルの信頼性が担保され、結果として「アメリカン・エクスペリメント(米国という民主主義の試み)」そのものが持続しやすくなると同氏は語った。
アームストロング氏による視点は、暗号資産と国家経済の関係を再度考えるための材料を提供している。今後米国がどのようにビットコインと向き合っていくのかは、米ドルの将来と国際的な経済情勢を左右する重要な論点になりそうだ。
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