この記事の要点
仮想通貨取引所大手のBinance(バイナンス)は2026年2月2日、ユーザー保護基金「SAFU」の資産をステーブルコインからビットコイン(BTC)へと転換する計画の第1弾として、約1,315 BTC(1億ドル/156億円相当)を取得したと発表しました。
この取得は、約2年ぶりとなるSAFU基金によるビットコイン転換であり、従来の安定資産中心の構成方針を大きく転換する施策と位置づけられています。
取得されたビットコインはオンチェーン上で確認可能であり、バイナンスは保管アドレスおよびTXIDを公開しています。
今回の取得は、バイナンスが掲げる「SAFU基金全体を30日以内にビットコインへ転換する」方針に基づく第1弾であり、総額約10億ドル(約1,560億円)のうち、残る約9億ドル分についても今後段階的に転換が進められる見通しです。
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Binance(バイナンス)のSAFU基金は2018年に設立され、ユーザー資産保護を目的とした緊急予備資金として運用されています。
基金は取引手数料の一部を原資として積み立てられ、主にシステム障害や外部攻撃などによる損失補填に活用される仕組みとなっています。
これまで、基金はBUSDやUSDCなどのステーブルコインによって構成され、価格変動リスクを抑える運用方針が取られてきた経緯があります。
今回のBTC転換に伴い、SAFU基金の資産構成はビットコイン比率が大幅に高まる見通しです。
バイナンスはBTC転換の背景として、ビットコインを「長期的価値の源泉」「インフレ耐性のある資産」と位置づけ、安定資産に代わる価値保存手段として活用する方針を示しました。
この転換を通じて、同社はSAFUの構成をビットコイン中心へと移行させる方針を明確にし、BTCがエコシステムの基盤資産であるとの認識を強調しています。
また、転換後の保有状況はブロックチェーン上で公開されており、誰でも確認できる体制が整えられています。
なお、バイナンスはBTC価格の変動によってSAFU基金の評価額が8億ドル(約1,250億円)を下回った場合には、自社資金により即座に補填を行い、10億ドル規模を維持する方針を示しました。
この補填措置により、最低資産規模を保証する体制が構築され、BTC価格変動による下方リスクも一定程度緩和される見込みです。
この施策は、基金の構成を巡る戦略的な変更であると同時に、今後の市場環境を見据えたリスク対策とされており、バイナンスは今後も透明性を重視した運用を継続するとしています。
取引の詳細や資産の保管状況については、すべて公開された情報に基づいて監視が可能であり、コミュニティとの情報共有を重視する姿勢が示されています。
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バイナンスによるSAFU基金のBTC転換は、直近の市場混乱を踏まえた信頼回復策との見方もあります。
2025年10月10日に発生した仮想通貨市場の急落(通称「10/10クラッシュ」)では、連鎖的な清算により約190億ドル(約3兆円)相当のポジションが強制ロスカットされる事態となりました。
この際、バイナンスのシステム障害や市場構造が暴落を増幅させたとの批判が一部で浮上し、米投資会社ARK Invest(アーク・インベスト)CEOのキャシー・ウッド氏ら著名人も「バイナンスのソフトウェア不具合が巨額清算の一因になった」と指摘していました。
こうした背景を受け、バイナンスは1月末に公表したコミュニティ向けの公開書簡で「フィードバックを継続的に取り入れて改善する」「業界とともに歩む」との方針を示しています。
今回の10億ドル規模のBTC転換は、こうした声明を裏付ける象徴的な対応として受け止められています。
ユーザー保護基金を安定資産からビットコインに転換し、価格下落時に自社で補填する方針は「市場の下支え役として機能する」との姿勢を示すものであり、バイナンスの長期的な市場関与を裏付ける動きといえます。
バイナンスは残る約9億ドル分のSAFU基金を数週間内に段階的にビットコインへ転換する計画を進めています。
この間に行われる大規模なBTC取得が市場価格へ与える影響や、他取引所の準備金構成に変化が生じるかどうかが注目されています。
各国の規制当局も動向を注視しており、透明性を維持しながら計画を着実に遂行できるかが信頼回復の重要な指標となります。
バイナンスによるSAFU基金転換の完了と今後の市場反応は、業界全体における注視すべき動向として引き続き関心を集めています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.57 円)
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Source:Binance公式X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用


