この記事の要点
三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクは、野村ホールディングスおよび大和証券グループと連携し、ステーブルコインを活用して株式や債券を購入できる仕組みの検討を進めることが明らかになりました。
日本経済新聞によると、この枠組みでは、株式・債券・投資信託に加え、短期債券で運用するマネー・マネージメント・ファンド(MMF)などの金融商品をデジタル証券化し、ステーブルコインで決済する仕組みを構築する計画で、実用化は数年内を想定しているといいます。
検討されているステーブルコインは法定通貨に連動するものとされ、投資家の利便性向上や市場の効率化を目的とする構想と伝えられています。
G7通貨連動ステーブルコイン、検討に着手
三菱UFJ銀行含む世界大手銀行10行、G7通貨連動のステーブルコイン発行を共同検討へ
報道によると、今回の取り組みは既存の金融インフラを補完し、ブロックチェーン技術を活用して証券取引の決済を効率化することを目的としています。
具体的には、株式や債券、投資信託、短期国債を中心とするMMF(短期国債や公社債で運用する投資信託)などをデジタル証券として発行し、ステーブルコインによる決済フローを導入することで、従来のT+2(売買成立から2営業日後清算)の短縮を図るといいます。
この仕組みでは、投資家が証券会社を通じて購入指示を出すと、ステーブルコインでの支払いと同時に所有権が移転する構造で、取引の即時化や市場参加者の利便性向上が見込まれています。
また、検討されているステーブルコインは「信託型」の構造を採用し、発行者の資産と裏付け資産を分離管理することで高い安全性を確保する方針とされています。
市場関係者は、こうしたトークン化やステーブルコイン決済の導入が国内市場の国際競争力を高め、海外資金の流入につながる可能性があるとの見方を示していると伝えられています。
一方で、合法性や規制の整備、技術的なインフラ構築、サイバーセキュリティ対応など複数の課題が残っており、実装に向けた検証が続けられる見通しです。
金融庁、ステーブルコイン実証支援
金融庁、3メガバンクのステーブルコイン実証実験を支援|新設PIPで共同発行の課題を検証
日本国内でも、ステーブルコインやデジタル資産を金融市場に組み込む動きが広がりつつあります。
金融庁は、円建てステーブルコインの準備金について厳格な債券保有基準を設ける方向で調整を進めており、発行体や金融機関の関与範囲も拡大しています。
海外でも、JPモルガンやブラックロックなどが資産トークン化や決済インフラ整備を進めており、株や債券の決済にデジタル資産を活用する動きは国際的な潮流の一つとなっています。
今後は、ステーブルコイン決済の法的枠組みの整備や実証実験の進展に加え、主要金融機関の参加動向が注目されます。
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Source:日本経済新聞
サムネイル:AIによる生成画像

