ナスダック上場のイーサリアム財務戦略企業シャープリンク・ゲーミングCEOのジョセフ・シャロム氏と、イーサリアム共同創設者でブロックチェーンソフトウェア企業コンセンシスCEOのジョー・ルービン氏は12日、香港で開催された「コンセンサス香港2026」のパネルディスカッションに登壇し、企業がイーサリアムを財務資産として保有する「デジタル資産財務(DAT)」戦略の正当性を語った。
シャープリンクは約86万ETHを保有し、ETH保有企業として世界第2位に位置する。なお、ルービン氏はシャープリンク・ゲーミングの会長も務めている。
パネルディスカッションの冒頭、シャロム氏は現在の市場環境について「マクロ的な追い風は、イーサリアム
ETHの10年半の歴史の中で今が最も強く、明確な差別化の瞬間が訪れている」と断言した。その根拠として、ブラックロックのラリー・フィンクCEOがダボス会議で語った「14兆ドルの資産がトークン化され、その65%以上がイーサリアム上で行われている」という事実を挙げた。
シャロム氏は、直近の価格変動やETFからの資金流出について「マクロ的なリスク回避の一環に過ぎない」と一蹴。「伝統的金融の巨大プレイヤーたちは、イーサリアムに向かっていると公言している」と述べ、機関投資家の関心が衰えていないことを強調した。
また、シャープリンクの戦略がETFとは本質的に異なるともコメントしている。「ETFは優れた受動的投資手段だが、日次の流動性を提供しなければならない。対して我々が保有しているのは『永続的資本』だ」とその違いを述べた。同社は保有するETHのほぼすべてをステーキングに回しており、今後も価格に関わらず買い増しとステーキングを継続する意向を明らかにした。
コンセンシスのルービン氏も同意し、イーサリアムが他の資産と決定的に異なる点として「利回りを生む性質」を挙げた。同氏は「イーサリアムは生産的な資産であり、約3%のステーキング報酬という『リスクフリーレート』が存在する」と指摘する。
パネルディスカッションの後半、シャロム氏は単なるステーキングを超えた「機関投資家向けDeFi(Good Institutional DeFi)」の構想についても言及した。これは、ベンチャーキャピタルのような「10倍の利益」を狙うギャンブル的な投資ではなく、長期ロックされた資本を用いて「最高のリスク調整後利回り」を追求するモデルだという。同氏は「我々はDeFiエコシステムの基準を引き上げることで、エコシステム自体を改善できると確信している」と述べた。
最後にルービン氏は、現在の状況をインターネット初期になぞらえ、「かつて『インターネット企業』と呼ばれた企業があったが、今や全企業がインターネット企業だ。それと同様に、間もなくすべての企業がブロックチェーン企業になるだろう」と予測。近い将来、あらゆる企業がバランスシートにトークンを保有し、高度なオンチェーン財務ツールを必要とする時代が来ると締めくくった。
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