ビットコイン(BTC)を中核資産とする上場企業のメタプラネット(Metaplanet)が、2025年12月期の通期決算において最終損益が950億円の赤字となったことを2月16日に発表した。一方で、営業利益は前年の約17倍となる62億8,000万円に拡大した。
同社によると最終赤字の主因は、2025年12月末時点の市場価格に基づくビットコインの評価替えにより計上した評価損1,022億円だ。この評価損は営業外費用として計上されており、キャッシュフローや日常的な事業活動には影響しない非資金支出の損失としている。
事業面では、売上高が89億円となり、前年度比で738%増加した。営業利益の拡大は、ビットコイン関連のオプション取引によるプレミアム収入の増加が主な要因とされている。ビットコイン・インカム事業の売上高は、従来見込みを上回り通期で約86億円に拡大した。
同社は、保有するビットコインを活用したオプション取引を収益源の一つとして位置付けており、2025年は第4四半期を中心に同事業が伸長したとしている。
2025年12月末時点でのビットコイン保有量は35,102BTCとなり、前年末の1,762BTCから大幅に増加した。これは国内上場企業として最大規模で、ビットコイン総供給量の約0.16%に相当する。
財務面では、同日時点の自己資本比率は90.7%となった。同社は、ビットコイン価格が86%下落した場合でも、負債および優先株をカバーできる水準にあるとしている。貸借対照表では、負債が467億円、純資産が4,585億円、ビットコイン資産の評価額は4,815億円とされている。
同社は1月、2025年12月期の業績予想を上方修正しており、売上高を68億円から89億円へ、営業利益を47億円から62億8,700万円へ引き上げていた。今回の決算は、その修正値に沿う内容となった。
またメタプラネットは、ビットコインの継続的な取得を前提に、優先株式を活用した資本政策を進めている。2024年12月の臨時株主総会では、A種およびB種種類株式の発行に関する議案が承認され、第三者割当によるB種種類株式の発行を通じて、主に追加のビットコイン取得に充当する方針が示されている。
資本市場対応では、2025年12月に米国でスポンサー付きレベル1のADR(米国預託証券)プログラムを設立した。ティッカーは「MPJPY」で、原株との交換比率は1ADR=1株としている。資金調達を伴わない形で、米国投資家によるアクセス向上を図る狙いだ。
さらに今年1月に発表された2026年12月期の業績予想によると、同社は売上高160億円、営業利益114億円を見込んでいる。これはそれぞれ前年比79.7%増、81.3%増となる。一方で、ビットコイン価格の変動性を理由に、経常利益および最終利益の数値予想は開示しない方針とした。
メタプラネットは、ビットコインを主要な財務資産として保有・運用する戦略のもと、事業収益の拡大と資本政策の整備を並行して進めている。
参考:決算説明資料・2025 年 12 月期通期業績予想の修正及びビットコイン評価損の計上及び 2026 年 12 月期通期業績予想の公表に関するお知らせ
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