米スタンダードチャータード銀行のリサーチアナリスト、イーサン・レスター氏によると、中国の対米輸出が大幅に減少したにもかかわらず、上半期の前年比輸出成長率は加速した。スマートフォンとノートパソコンが、米国向け減少輸出の大きな割合を占めた。中国はこれらの商品を単なる積替えハブだけでなく、代替市場に輸出しているようだ。
ポートフォリオの多様化が成果を上げる
「中国の輸出相手国は近年多様化しており、米国の高関税の打撃を相殺するのに役立っている。2025年上半期の中国の輸出における米国のシェアは前年比2.5ポイント減少したが、米国当局との報告の不一致を調整した後でも、中国の全体的な輸出は増加した。」
「我々は、関税関連の前倒し需要の後、中国の輸出成長の後押しが弱まると見ている。これはEU当局者からの投げ売りに関する保護主義的な発言や、積替えを促進する経済に対する米国の高関税の脅威の中で起きている。しかし、中国の継続的な輸出多様化は、保護主義からの逆風にもかかわらず、輸出に強固な下支えを提供するはずだ。これは、グローバルサウスの経済圏への10年以上にわたる海外での大規模な投資に基づいている。」
「例えば、スマートフォンとノートパソコンの輸出(2025年上半期の中国の対米輸出約11%の減少の約3分の1を占めた)は、ラテンアメリカ、サハラ以南アフリカ、ヨーロッパ、新興アジア市場全体で大幅に成長している。米国のスマートフォンとノートパソコンの輸入は、中国の輸出と同じ仕向け地からは広く増加していない。これは、半導体とその下流利用に関する米国の継続的な国家安全保障調査の中で、中国の電子製品の積替えへのインセンティブがあるにもかかわらずだ。前回の貿易戦争以降の中国の中間財輸出の増加も、単なる輸出経路の変更ではなく、サプライチェーンの本格的な再編を示唆している。」
Source: https://www.fxstreet.com/news/chinas-growing-exports-not-just-transshipment-standard-chartered-202508260859


