米国とイスラエルによるイラン軍事攻撃を受け、ビットコインは週末に6万3000ドル台まで急落した。ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、原油価格の急騰懸念が世界市場に広がる。3月2日週明けの日経平均は前週末比1300円安の5万7500円程度まで下落する場面も想定される。暗号資産市場は24時間稼働するため地政学リスクの最初米国とイスラエルによるイラン軍事攻撃を受け、ビットコインは週末に6万3000ドル台まで急落した。ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、原油価格の急騰懸念が世界市場に広がる。3月2日週明けの日経平均は前週末比1300円安の5万7500円程度まで下落する場面も想定される。暗号資産市場は24時間稼働するため地政学リスクの最初

ホルムズ封鎖でBTC急落・日経平均1300円安も―中東の地政学リスクが市場を直撃か

2026/03/02 07:56
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米国とイスラエルが2月28日にイランへの軍事攻撃に踏み切り、中東情勢が急激に緊張した。イラン革命防衛隊は1日、ホルムズ海峡周辺で石油タンカー3隻へのミサイル攻撃を実施し、同海峡は事実上の封鎖状態となった。24時間稼働する暗号資産市場は地政学リスクの「最初の受け皿」となり、ビットコイン(BTC)は一時6万3000ドル台まで下落した。ハメネイ最高指導者の死亡が確認された1日には一時反発したものの、週明け3月2日には日経平均が前週末比最大1300円安の5万7500円程度まで下落する場面も想定されており、市場はリスクオフムード一色となっている。


ビットコイン、週末に急落後に一時反発―6万5000ドル台で綱引き続く

[BTC現在値 約$65,711]

ビットコインは2月28日の攻撃報道を受けて数時間以内に3.8%下落し、6万3000ドル台まで値を沈めた。24時間の市場全体における清算総額は5億2200万ドルに達し、そのほとんどがロングポジションの損切りによるものだ。3月1日、イラン国営メディアがハメネイ最高指導者の死亡を公表すると、「事態が早期収束に向かう」との期待が先行し、BTCは一時2%超上昇して6万8196ドルを付けた。しかし、3月2日時点では約6万5711ドルで推移しており、週足では2.5%の下落となっている。

ビットコイン週足チャート:BeInCrypto

テクニカル面では、短期保有者(STH)の平均取得コストである6万3700ドル前後が直近の重要サポートとして意識される。このラインを割り込んだ場合、保有者全体の実現価格(RP)に相当する5万4600ドル付近が次の防衛ラインになるとの見方もある。時価総額2位のイーサリアム(ETH)も週末に4%超の下落後、2000ドル台を辛うじて回復しているが、相場の方向感は依然として定まっていない。


日経平均、週明けに最大1300円安の5万7500円も―割高感が急落リスクを高める

[日経平均 前週末終値 5万8850円]

東京株式市場は今回の攻撃発生後に最初に開く主要市場として、国際的な注目を集めている。

日経平均株価週足チャート:Yahoo Finance

日経平均は2月27日時点で前週比2024円高の5万8850円と3日連続で最高値を更新していたが、日本経済新聞は3月2日付で、中東情勢の悪化を受けた株売りが先行し、前週末終値から1300円ほど安い5万7500円程度まで下落する場面がありそうだと分析した。週次で6.23%となった25日移動平均線との乖離率や、株価収益率(PER)が直近最高値の24.9倍に迫る24.5倍まで拡大していた点も、急落の素地となっている。

懸念材料はイラン情勢に限らない。先週27日には米半導体大手エヌビディア(NVDA)が市場予想を上回る決算を発表したにもかかわらず、株価は5.46%安と急落。これを受けてアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループといった国内のAI・半導体関連銘柄も週後半に失速しており、日本株の地合いはイラン情勢以前から既に不安定化していた。

乱高下した先週のソフトバンク株:Yahoo Finance

ホルムズ海峡の封鎖リスク―原油「90ドル超」シナリオが浮上

[ブレント原油 攻撃前 $72.48/bbl]

ホルムズ海峡は世界の石油海上輸送量の約20%が通過する要衝だ。日本の原油輸入の93.5%(2025年実績)は中東に依存しており、タンカーの約8割がこの海峡を経由する。

商船三井は革命防衛隊から「いかなる船舶も通航を禁止する」との通告を受けており、3月1日時点で周辺海域には200隻以上が停泊を余儀なくされている。攻撃前の2月27日時点でブレント原油先物は1バレル72.48ドルと2025年7月末以来の高値を付けていた。日本経済新聞はホルムズ海峡が完全封鎖となれば90ドル超まで上昇する可能性があるとの試算を報じており、原油高が長引けば輸入コスト増→企業収益悪化→株安という連鎖が日本経済を直撃する。


為替は「有事のドル買い・円安」先行——日本株の二重圧力に

外国為替市場では、地政学リスクが高まる局面で基軸通貨であるドルが選好される「有事のドル買い」の流れが優勢だ。一般的に円高はリスクオフ時の避難通貨として機能するが、今回は日米金利差の存在もあり、複数のアナリストが当面は円安ドル高が先行すると指摘する。円安は輸出企業の収益を一定程度下支えする一方、原油などのエネルギー輸入コストを押し上げ、日本全体ではネットマイナスとなりやすい構造がある。

日銀は2月27日、都区部消費者物価指数(CPI)が1年4カ月ぶりに2%を下回ったことを受け、追加利上げの判断が一段と難しくなっており、金融政策の不確実性も円相場の重荷となっている。


過去の地政学リスク局面との比較——「不透明感の解消」が相場反転の鍵

過去の事例では、2003年のイラク戦争において地上戦開始後にS&P500が急反発し、同年の年間上昇率が約26%に達した実績がある。また2025年6月の米国によるイラン核施設攻撃時も、BTCは初動の下落後に比較的早期に回復した経緯がある。今回はイスラエルだけでなく米国が共同作戦として直接参戦している点が過去の事例と大きく異なるが、ハメネイ師の死亡によりイラン側の指揮系統が打撃を受けたとされる点は「戦況が長期化しない」との観測も呼んでいる。

週内はブロードコム(AVGO)の決算(3月4日)と米雇用統計(3月6日)も控えており、中東情勢と重なって市場のボラティリティは高止まりが予想される。BTCが地政学リスクと独立した「デジタルゴールド」として機能するかどうか、今週の値動きがその真価を問う試金石となる。


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