米ニューヨーク南部地区連邦地裁のキャサリン・ファイラ判事は2日、分散型取引所(DEX)ユニスワップに対する集団訴訟で、原告の全請求を棄却した。詐欺トークンへの投資で損失を被った投資家らがプラットフォーム開発者の責任を問おうとしたが、裁判所は訴えを認めず、同一の主張による裁判のやり直しもできない形となった。
本訴訟は、ユニスワップを通じて38種の詐欺トークンに投資した投資家らが、開発・運営元のユニスワップ・ラボとCEOヘイデン・アダムズ氏を相手に、2022年4月に起こしたものである。
原告らの損失は2021年4月から2022年4月にかけて発生し、ラグプルや意図的な価格操作(パンプ・アンド・ダンプ)といった手口が大半を占めた。詐欺トークンを発行した第三者の身元が特定できなかったため、原告側は取引の場を提供したユニスワップ側に責任を求めた。
原告の主張は訴訟の過程で繰り返し退けられてきた。2023年8月、ファイラ判事は連邦証券法に基づく請求を棄却。スマートコントラクトの作成者が第三者によるプラットフォームの悪用について責任を負うのは「論理に反する」との判断を示した。
2025年2月には第2巡回区控訴裁判所もこの棄却を支持したが、州法に基づく請求については地裁での審理を求めて差し戻した。連邦法上の請求が控訴審でも最終的に退けられたことを受け、原告はニューヨーク州法などに基づく詐欺の補助、過失による虚偽表示の幇助、3州の消費者保護法違反、不当な利得の計6件の請求で改めて争った。
しかし、裁判所はこれらの請求もすべて退けた。判決の核心は、ユニスワップがトークンの宣伝や虚偽表示に一切関与しておらず、取引の場を提供しただけでは詐欺の実質的な手助けにはあたらないという点にある。裁判所は、銀行が口座をマネーロンダリングに使われた場合に、責任を負わないのと同じ構造だと指摘。2023年のTwitter(現X)対Taamneh(タームネ)の事件の連邦最高裁判決を引用し、悪意ある利用者がプラットフォームを悪用した事実だけでは、運営者に対する責任は成立しないとした。
消費者保護法違反の請求についても、原告の損害はユニスワップの行為ではなくトークン発行者による虚偽の表示が原因であるとして因果関係を否定した。不当な利得の主張に対しては、対象期間中にユニスワップが原告から直接的な利益を得ていた事実は立証されていないと判断している。
今回の棄却は再訴不可であり、原告が同じ訴訟で再び争う道が完全に閉ざされた。DeFi(分散型金融)領域において、プラットフォーム開発者が第三者の不正行為について負う法的責任の限界を明確にした判例となった。
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